鍼灸治療が冷え症に及ぼす効果(第6報)|冷え性,2020年 日本東洋医学会関西支部例会|学会発表|大阪市天王寺区のまり鍼灸院

menu

学会発表

2021年02月05日

鍼灸治療が冷え症に及ぼす効果(第6報)

(冷えを感じる女性の冷え症状の変化 治療前と1年後を比較しました。)

2020年10月、日本東洋医学会関西支部例会にて、「鍼灸治療が冷え症に及ぼす効果(第6報)」を発表させていただきました。
今回は、対象者を冷えを自覚する女性に限定し治療開始から1年後の冷え症状の変化を調査しました。

(画像1・2枚目参照)

対象者は、冷えを自覚し、1年間治療を継続された女性13名です。

2016年2月~2019年10月、当院に来院された初診の患者様177名の内、冷え症を自覚し、1年間治療を継続された女性13名です。年代別では、40代が54%と一番多く、次に30代31%でした。30・40代の女性に継続率が高かったです。

(画像3~5枚目参照)

各々のデータの比較は、1年前の同じ季節です。

13名の治療開始時期は、

  • 春(3~5月)⇒4名
  • 夏(6~8月)⇒1名
  • 秋(9~11月)⇒3名
  • 冬(12~2月)⇒5名

です。
12月に治療を始めた方は翌年の12月までを比較し、対象者全員が同じ季節の変化を比較しました。

(画像6~7枚目参照)

冷えのVASの変化は、初回63.0から⇒1年後23.0に大きく改善しました!

横型100mmのVAS(Visual Analogue Scale)による冷えの程度は、1年間の治療で63.0mm→23.0mmへと改善しました。1年前に比べ数値が約60%減少しました。1年前よりも冷えを感じる程度がましになり、快適に過ごされている方が多いです。

(画像8~15枚目参照)

冷えの強さの変化は、初回4.0から⇒1年後1.0に大きく改善しました!

「冷え日記」の冷えの項目において、中央値は4.0→1.0に減少し、統計学的にも有意な差が見られました。また、「冷え日記」の冷え関連5症状(肩凝り・のぼせ冷え・下肢のむくみ・全身倦怠・夜間頻尿)の合計と、肩凝りの項目において、数値の減少が見られました。
5症状の内、下肢のむくみ・全身倦怠の項目に中央値の減少が見られました。

(画像16~18枚目参照)

女性の冷え症状に対する鍼灸治療の効果は、1年後同じ季節に比較しても大きく改善することがわかりました!

結果から、1年間の鍼灸治療で冷え症は改善することがわかりました!今回は、夏から夏・冬から冬というように、同じ季節どうしの比較でしたが、VASの変化や冷えの強さの変化からもわかるように、1年前よりも冷えが改善しています。患者様からは去年よりも身体が冷えなくなったというお声もいただいています。まり鍼灸院では今後も研究を続けて行くことで、冷え症に悩む患者様が日々快適に過ごせるよう、今後も日々の臨床に励んで参りたいと思います!

(画像19~20枚目参照)