2020年02月19日
第69回日本東洋医学会学術総会にて、「経穴に九条膏の貼薬を用いた季節性アレルギー症状に対するセルフケアの効果検討」について発表させていただきました。
今回は、季節性アレルギー症状を訴えた患者様を対象に、九条葱の葱白から作った九条膏の貼薬の効果を検討しました。
アレルギーの細胞から放出されるロイコトリエンなどの物質が神経や血管を刺激するために症状が現れます。鼻の粘膜の知覚神経が刺激されるとくしゃみが起こり、その反射で鼻汁が出ます。鼻づまりは、血管の拡張と血管からの水分の放出により鼻が腫れるために起こり、目のかゆみはヒスタミンなどが神経を刺激するために起こります。
(引用:厚生労働省)
治療として、九条膏を両手沢田流神門(HT7)と両足三陰交(SP6)に季節性アレルギー症状のある期間中、患者本人に貼付し続けてもらいました。
結果1・2より①くしゃみ②鼻汁③鼻閉④日常生活の支障度⑤鼻の痒み⑥目の痒み⑦涙目の7項目の内、6項目に有意な改善が見られました。涙目は有意な改善が見られませんでしたが、中央値は改善しました。
結果3はアレルギー症状の合計と比較しました。治療前より治療後を比較し、有意な改善が見られました。
(画像12~17枚目参照)
妊娠中は花粉症の薬を避けたいと思っていた患者様が、九条膏の貼薬で症状も落ち着いてとても喜んでおられました。
(画像18枚目参照)
今回の研究で、九条膏の貼薬は季節性アレルギー症状のセルフケアとして、効果があることが分かりました。季節性アレルギー症状が軽減することにより、患者様のQOLが向上することが考えられる。今後、季節性アレルギー症状の対策と緩和のため鍼灸治療が1人でも多くの方に広まるよう、日々の臨床と研究に精進して参ります。