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普及活動

2009年05月19日

まり鍼灸院における鍼灸治療 ・患者様からのイメージ調査結果・

こんにちは!
まり鍼灸院です。
突然ですが、皆様、「鍼灸」に対して、どんなイメージをお持ちですか?

「痛そう」
「熱そう」
「怖そう」
「治療費が高い」

鍼灸業界の学会でも、この4つはよく報告される項目です。

鍼灸は、日本において古くからある医療であるにも関わらず、
現代においてもその認識は低いというのが現状です。
まり鍼灸院にて、患者様の改善を日々目の当たりにし、
鍼灸の素晴らしさを実感する者としては、とても切ない現実です。

そこで、この度、当院に来られている患者様に、イメージ調査を行なってみました。

「やさしい鍼・あたたかいお灸」をモットーに、鍼灸治療を行なっている当院。
「鍼灸が初めて」という患者様も多くいらっしゃいます。
その患者様方が、実際に当院の治療を受けてどう感じられたか。
調査してみました。

  • ●調査期間: H20 7月〜8月
     ●調査対象: H19年に初診で来院した患者様のうち、
    調査期間中来院されていた34名内男性9名・女性25名)
    ●アンケート対象年齢分布は、以下の通りです。

    注)アンケート対象者の年齢分布であり、当院来院患者様の年齢分布を示すものではありません。

    では、早速アンケート結果をみてみましょう!
  • 患者様の来院のきっかけとしましては、「インターネット検索」という方が41.2%、
    「知人からの紹介」という方が58.8%と半数以上を占めています。
    当院は鍼灸治療が初めて、という患者様が多いのですが、
    その方々からの「紹介」による患者様が多いのは、スタッフとして非常に喜ばしいことです。

    次に来院動機となった症状をお聞きしてみました。

  • 最も多いのは、肩こりや腰痛を含む「整形疾患」で、58.8%でした。
    ついで、めまい、耳鳴り、眼精疲労、精神疾患を含む「その他症状」で17.6%、
    美顔コースや増毛コースを含む「美容目的」が11.8%、
    「婦人科疾患」と「内科疾患」はいずれも5.9%でした。
      後にも出てきますが、皆様、鍼灸治療の適応疾患として、
    整形疾患のイメージが強いようで、初診のきっかけとしては、
    整形疾患を訴えられるかたが多いようです。

    次に、当鍼灸院来院前に、他の医療機関を受診されていたかどうかという質問をしてみました。
    3.当院来院前に、どのような医療機関で受診されていましたか?(複数回答可)

    当院来院前に受診されていた医療機関としては、 「整骨院」、脳神経外科・眼科・皮膚科・心療内科などを含む「その他」の医療機関、当院以前は治療していなかった方がいずれも29.4%、整形外科が20.6%、内科が11.8%でした。

    肩こり、腰痛のイメージが大きい鍼灸治療ですが、その他疾患で他医療機関で受診された方も多く来院されていることがわかります。
  • さて、治療後の改善率はどうでしょうか?
     91.2%の方に、「はい」のご返事を頂きました。
    「いいえ」と答えられた方の理由として、
    「症状が全くなくなったわけではない」
    「自分の理想とする改善まで、まだいたっていない」などが挙げられていました。
  • 「改善」とは、患者さんの目標とするゴールによって、程度が異なるため、
    より正確に改善の程度を見るために、当院では、
    NRS(Numeric Rating Scale)というスケールを用いて改善率を
    数字に表わしていただきました。
    スケールの取り方は、「最も痛い(ひどい)時を10とした時に、
    現在の痛み(ひどさ)は、どの数字にあてはまるか」を表わしていただきました。
    (例えば、最も痛い時が10とした時、治療を受けて、今の痛みは3まで減っている、といった付け方です。)
    最も痛い時(ひどい時)を10とした時、治療後の痛みが4以下になった方が53%と半数以上を占めていま
    す。
    また、 4.の質問で、改善率を聞いたところ、約6%の方が「いいえ」と答えられましたが、NRS値でみる改善
    率では、全員の方が10以下につけておられます。
    これは、今回アンケート対象となった全員の方が最もひどい時と比べてなんらかの改善を実感されているということがわかります。
  • さて、鍼灸治療は、よく「全身を調整する」治療法というイメージがありますが、
    実際治療を受けている患者様も、主症状以外の症状改善を実感されている方が多いようです。
  • 1.手足の冷えの改善
    2.肩こり緩和
    3.疲労感の回復
    4.目疲れの改善
    5.腰痛緩和
    6.睡眠障害の解消
    7.その他
    8.月経前後症状の緩和
    主症状以外で、患者様が実感された随伴症状で最も改善が見られた症状は、「冷え症状」で47.1%でした。ついで「肩こりが緩和した」が、44.1%、 「疲れにくくなった」が41.2%、「目疲れの改善」が35.3%、「腰痛の改善」が26.5%、むくみなどを含む「その他症状」も23.5%、「月経前後症状の改善」は14.7%でした。
    今回のアンケート対象となった方の7割強が女性だったこともあり、「冷え症状」が改善された随伴症状のトップとなりました。主症状以外で、肩こりを訴えられる方も多く、肩こりの改善も多くみられました。 
    疲れやすさや、目疲れの改善も上位に入っていることを見ると、身体全体の症状も改善が見られ、治療後には主症状以外の様々な症状が改善されていることがわかります。
  • 最後に、鍼灸治療の患者様がもたれているイメージについてお聞きしました。

    当院には、「鍼灸治療が始めて」という患者様が多く来院されます。
    来院前と、実際治療を受けていただいた後のイメージはいかに変わったかを見てみましょう。
  • 1.気持ちよくリラックスできた
    2.思ったより痛くなかった
    3.お年寄りが通うイメージだったが、案外若くても通いやすい場所だった
    4.肩こり・腰痛の人が行く場所だと思っていたが、他疾患にも適応するようだ
    5.値段は高いが、それに相応する満足感を得られている
    6.思ったより熱くなかった
    7.鍼灸に対する怖さがなくなった
    8.鍼灸はまだ少し怖いが、効果を実感するので受けている
    9.特にイメージは変わらない

    来院前と実際に治療を受けていただいた後で、患者様に最も実感していただけたのは、「気持ちよくリラックスできた」で65%の方に治療後リラックスしていただけています。ついで、「思ったより痛くなかった」59%、「思ったより熱くなかった」32%、「鍼灸に対する怖さがなくなった」32%と、鍼灸治療に対するマイナスのイメージが 治療後に変化していることがわかります。
    また、「お年寄りが通うイメージだったが、案外若くても通いやすい場所だ」を44%の方が回答されています。
    当院は、小児鍼を施す0歳児より、年配の方まで幅広く来院されております。
    参考までに、H19年新規来院患者様の年齢分布では、30代が最も多く29%、次いで20代22%、40代21%となっており、比較的年齢層が若いことがお分かりいただけるかと思います。
  • さて、鍼灸治療は保険適用の範囲が限られているために、実費で治療を受けていただかなくてはならなく、多くの方が鍼灸治療費に対して「高い」イメージをお持ちなのではないでしょうか。

    今回アンケート対象となった患者様も、41%の方が、「値段は高い」と感じておられるようです。
    しかし、同時に「それに相応する満足感を得られている」ともお答えでした。
    これは、主症状だけでなく、随伴症状の改善も感じていただけているためかと推測されます。
  • この調査で、少しでも鍼灸治療に対するイメージを具体化していただけたら幸いです。
    鍼灸治療は、予防医学とも言われ、未然に病を防ぐこともできる治療法です。定期的に、体のメンテナンスをして、健康な体を手に入れましょう!